居酒屋チェーンの正社員はきつい?【仲間を頼れる店長は楽】

居酒屋の正社員(店長)の体験談うかがいました。
居酒屋の店内に入ったとき、店員さんたちの明るい声に元気づけられます。
「店員さんの仕事ってきついの?」
「正社員はどんな風に働いているのかな?」
正社員になって感じたことは
- ホールで店長になるか、キッチンで料理長になるか選べる
- 遅番は慣れるまでとても眠たい
- 会社によるが異動が多い
- スタッフとの相談しあえるとかなり楽になる
店長になってからは「周りに助けを求められず、かなり苦労」しました。
しかし、スタッフと気軽に相談できる関係を築いて、仕事の楽しさを感じられるようになりました。
居酒屋への就職など考えている方は読んでみると参考になります。
居酒屋チェーンの仕事内容【ホールとキッチン】
居酒屋にはホールとキッチンといったポジションがあります。
それぞれをかんたんに解説します。
- ホール(接客)
- キッチン(非接客)
入社後はどちらも研修で習います。
そして、店長か調理長かを選べます。
私は高校生のときから接客が好きでしたので、ホールを選びました。
研修の間は数字や集客などを気にしなくて良かったので、楽しく働けました。
研修:ホール業務【右手にお盆、左手にジョッキは手が震えるほど重い】
ホール業務は
- お出迎え、お会計、お見送り(エントランス業務)
- オーダーを受ける、提供(ラウンダー)
- ドリンク作り(ソフトドリンクやアルコールメニューを手がけるドリンカー)
- お帰り後の入れ替え準備
など担当します。
初めてお客様にお料理などを提供するとき、右手にお盆左手にジョッキを持って行く道中、重くて手が震えました。
研修:キッチン業務【オーダーが重なると慌ただしい】
キッチンは配置が決められていました。
- 刺し場(鮮魚を扱う)
- 焼き場(串、ご飯類、肉料理)
- フライヤー(揚げ物類)
- 前菜(おつまみ、サラダ類)
- 洗い場(皿洗い)※ホールと共同作業
異物混入などがないように、細心の注意をはらって作ります。
一番楽しかった場所は、コンスタントにオーダーがくるフライヤーでした。
逆に大変だったことは、オーダーが次々ときでした。かなり焦りました。
仕事は主に店長や調理長から学んでいきます。ときにはアルバイトの方にも教えてもらうことがあります。
それから約2か月ほどで母店研修が終了します。
そしていよいよ本配属の発表。
本配属【仕事ができるとすぐに副店長になれる】
本配属の発表は、部長から言い渡されました。
たいていは平社員のまま新しい店舗に行きますが、優秀な人はいきなり副店長です。
実際、一緒に研修を受けた同期の中にも優秀な人いました。
彼はいきなり副店長で、店長やエリアマネージャーからも注目を浴びるほど有名でした。
私は当時、仕事ができるタイプではなかったので羨ましいという気持ちはありませんでした。
ちなみに私の新しい配属先は変わらず同じ店舗でした。
まだまだ学びたかったので、継続できて良かったです。
勤務ルーティン【早番は身体的に楽】
出勤してからの一日の動きを、ざっと解説します。
- 14:00 出勤時間。制服に着替えた後、調理長から本日のお勧めメニューを聞いてチラシを打ちます。
そして、センターから配送された品を片付けます。
- 15:00 銀行に売り上げ金を入金しに行きます。
金曜や給料日などは割と混むので、作業が前後することもあります。戻ってきたら、お通しの準備をします。小鉢の数が多いため、かなり大変です。
- 15:50店長を中心に朝礼があります。
主に予約件数、昨日起きた問題点の共有、売り上げ目標などを確認します。
- 16:00看板を表に出したら、営業開始です。
開店後はお客様がしばらく来ないため、予約席の振り分けや店頭で呼び込みを行います。
- 17:00アルバイトたちが徐々に出勤し始めてきます。
ピークの時間がくる前にご飯休憩をとります。
- 18:00以降 ここからサラリーマンや学生たちが飲みに来るピークタイムです。
宴会予約があると、時間で動き始めるため慣れるまで大変でした。
- 22:00 退勤時間。新入社員の間はほぼ定時で上がれますが、徐々に残業が入ってきます。
上がれていないアルバイトがいた場合、上がってもらったりピーク帯の片づけ(ドリンク材料の補充、洗い場)をします。
以上が早番の勤務内容です。
日付が変わる前に上がれるため、身体はとても楽でした。
勤務ルーティン【遅番は眠気との戦い】
続いて遅番の勤務です。
- 19:00 出勤時間。着替えたら日誌を読み、本日の仕事内容や注意点を把握します。
その後現場に入りますが、いきなりピーク帯なため店内がとてもバタバタしています。
まず状況を把握することから始まります。そして、徐々にピークの波にのっていきます。
- 23:00 お帰りラッシュが始まります。一気に席が空きだすので片付けと準備に追われます。
その後2次会を行うお客様が来店され、第2波が始まります。
- 24:00隙を見つけて食事休憩をとります。
- 25:00から28:00入店数が一気に落ち着きはじめます。
その隙にいくつかやることがあります。
・ドリンカーの片づけやビールサーバーの洗浄
・お手洗いの掃除
・キッチンの仕込みの手伝い
遅番は普段寝ている時間帯の勤務です。初めて遅番に入ったとき、かなり疲れました。
閉店近い時間に入ると眠気との闘いでした。
- 29:00 閉店/退勤時間。お客様が全員お帰りになったことを確認し、看板を中にしまいます。
一番大変なことは「レジ締め」でした。
金銭のやり取りをする際、10円単位の誤差がときどき出ることがあります。
その際、レジ内のお金をもう一度数えたり周辺にお金が落ちていないかを確認します。
この作業が一番時間をとられてしまうので、レジ担当は一層注意して行っています。
最後に本日の営業報告と売り上げ確認を済ませたら勤務完了です。
遅番は店舗にもよりますが、店長が早番にいることが多いため困ることもありました。
異動は2ヶ月毎で多い【会社による】
私の勤めていた会社では、異動が2か月ごとにあります。
2回目の人事でようやく母店を離れ、都内を引っ越し付きでいろいろな所へ行きました。
住んでいた家は社宅でしたので、解約はせずに済みました。
しかし、光熱費だけは毎回のように契約と解約を繰り返します。
すぐに引っ越しなので、新しい家では最低限使用する物だけ荷ほどきしていました。他の企業では考えられないと思います。
店長になった当初は現場と対立【助けを求められなかった】
入社から3年後に店長となりました。
担当のお店は都心から少し離れた場所でした。
最初にエリアマネージャーやアルバイトの方、社員の方と顔合わせがあります。
店長として接することにとても緊張しました。
店舗は小さいですが、常連様が多くいらしてとても賑やかでした。
お客様をはじめ、いろいろな方に「店長」と呼ばれとき、とても照れくさかったです。
当初は「店長」としてみんなを引っ張っていけるか不安で、弱音をはくことができませんでした。
そのせいでコニュニケーションがうまくいかず対立することもありました。
当時は「店長なので彼らに助けを求めてはいけない、恥ずかしい」と思い込んでいたと思います。
コミュニケーションをとることでうまく行くように
人にできるだけ頼らないで頑張ろうって思ってました。
そうすれば、スタッフは楽できるし、信頼されるだろうと。
でも、それは間違ってました。
彼らは私以上に店のことをよく知っています。なので、どんどん相談するべきでした。
私はそのことに気付くのが遅く、ときどき彼らとすれ違うことがありました。
私から言えることは、スタッフと気軽に相談できる関係を築くことが大切です。
そのためには日々のコミュニケーションが欠かせません。
実は、自分の間違いに気づけたのは、私の異変に気付いた方がいたからです。
相談に乗ってくれ、彼らとの関係を改善することができました。
それ以降、何かあったとき、一人で悩まずみんなの力を借りようと思えるようになりました。
スタッフとは共生関係にあるんです。
お互い尊重しあえないと、いずれ人間関係にも傷がつきます。
基本的なことだけど、意気込み過ぎてて空回ってました。今では店長をやって良かったと心から言えます。
最終的に接客の楽しさを思い出せた


店長は他にもアルバイトの面接、新規のお客様獲得するために外回りに行くこともあります。
すぐに結果に繋がるわけではありませんが、時々他のお客様を案内して下さることもありました。
居酒屋の仕事は、昼夜逆転生活を余儀なくされます。
はじめは身体がついていけないと思いますが、慣れるまでの辛抱です。
今回、店舗経営を任されて気づけたことがあります。
それは、「一人では仕事ができない」ということです。
店長という立場を経てコミュニケーションの大切さや接客の楽しさを再確認することができました。
人との繋がりを感じられたことは居酒屋で店長をして得られたメリットです。
これから居酒屋の正社員を目指す方の参考になればと思います。