産業廃棄物の事務は難しいが慣れれば快適【定時退社・福利厚生とメリット多め】

産業廃棄物の事務の仕事を4年間やった体験談をうかがいました。
産業廃棄物の事務ってみなさん知っているようで、あまり知られていないですよね。
一般廃棄物と呼ばれるごみを計量して、処分していく仕事です。
そう聞くと、毎日ごみが運ばれてきてそれを処分していくだけ。
「単純な作業で誰にでもできる、簡単そうな仕事」というイメージを持っている方も多いと思います。
しかし実際に体験してみて、
- スピーディに作業する必要があり神経を使う
- いくつもの作業を同時にこなす
- ごみの種類や従業員の名前を覚えるのが大変
- 一般の方の接客もある
考えていた「ごみ屋さんの仕事」よりも、やることが多く難しかった。
仕事を覚えるまでは本当に大変でした。
でも、仕事に慣れてしまえば快適な職場です。
ごみの収集が終われば定時で帰れるし、福利厚生もしっかりしています。意外とホワイトでメリット多めな仕事でした。
産業廃棄物の事務ってどんな仕事か、興味のある方に役立つ体験談です。
産業廃棄物の事務は慣れるまでが大変だった話【慣れれば快適】


一般廃棄物の受付業務に配属されたきっかけは、前の担当の方の退職です。
スタッフの退職により受付に欠員が出るため、私が後任として配属されました。
その時は「ごみを計るだけなら簡単そうだな」と、軽い気持ちで引き受けました。
しかし、前任の方からの引き継ぎはたったの3日間。
一通りの業務の流れは聞くことが出来ましたが、引き継ぎをしている最中も収集車両がひっきりなしに帰ってきます。
そんな様子を見て、この3日ですべて覚える事ができるのか心配になりました。
正直、仕事を全て覚えられる自信がなく、「3日は無理だろ」と内心思いました。軽い気持ちで引き受けたはずが、一気に不安でいっぱいになりました。
産業廃棄物の事務は主にごみ計量・集計・お金の管理


産業廃棄物の業者の事務がやることをまとめました。
①市町村から出る分別ごみの計量作業
各市町村から排出された、新聞・雑誌・ビン・缶・粗大ごみなどを分類してそれぞれ計量します。
ごみの種類を間違えないように計り、記録していく作業です。
業務員と連携を取り種類ごとに計っていきますが、ゆっくり一台一台計ってなどいられないので、かなりの神経を使いました。
②一般市民のごみの計量、集計
一般市民からの持ち込みのごみも計量して、ごみの種類ごとに処分場へ搬入していきます。
その後、持ち込まれたごみの料金を計算して清算します。
処分料金の清算をするので、おつりの間違いなどがないよう注意しなければいけません。
一般のお客様の対応は、市町村の分別ごみの計量と同時進行です。急いで分別している中でのお客様の対応は、かなり大変でした。
③家電ごみのリサイクル料金の計算
ごみの搬入の中でも特に時間がかかるのが、家電製品の処分です。
冷蔵庫・洗濯機・テレビ・エアコン・乾燥機などは、法律でリサイクル料金が決められています。
そのため、一台ずつリサイクル料金を計算する必要があります。
これも処理能力のスピードが求められるので、お客様を待たせることなくスピーディーに対応していきます。
④持ち込まれたごみの集計
お客様から持ち込まれたごみの種類を分別し、集計をする業務です。
集計後、EXCELに入力します。
⑤売上の管理
搬入されたごみの売り上げの管理を行い、毎日のレジの入出金の伝票もおこします。
伝票に基づき、月末には売上げ報告を作成します。
計量業務をこなしながらの事務作業は、集中力が必要でこちらも神経を使いました。
仕事に慣れるまでが大変
配属されて収集車両を覚えたり、たくさん居る従業員の顔と名前を覚えるのに半年かかりました。
収集車は色も形もほとんど一緒。
ただ車番だけが違う。
計量器は車番を入力して重さを出すので、同じような見た目の車両を間違いなく計るためには、きっちり区別して覚えなければいけません。
慣れるまではミスを繰り返しました。
最初の半年は、同時に計量したり料金を計算したり、といった業務をこなす事が出来ませんでした。
なかなか仕事に慣れることができず、最初のうちは「本当に辞めたい、早く転職したい」と思っていました。
仕事に慣れてきた半年後
半年が過ぎたころから、車両の特徴や来る時間、積んでいるごみの種類など、
パターンがある事にだんだんと気づき始めました。
そのパターンに気づいてからは計量業務をこなす事が苦では無くなりました。
また、毎日ミスもなく仕事をこなせるようになってきました。
従業員の顔も覚えてきて人間関係もうまくいくようになり、1年経った頃には「やめたい」と思う気持ちも少しずつ無くなっていきました。
4年間して別の部署へ移動
その後、この部署には継続して4年間勤務しました。
従業員の中には「体力的にきつい、給料が安い」などの理由で退職した人もいましたが、私は毎日計量業務を続けました。
続けているうちに、車両のエンジン音を区別できたり、
運転手の仕事の速さまで頭に入れて仕事をこなすことができるようになりました。
4年が経ち再び異動を言い渡され、その後違う業種の部署へ異動しました。
4年間働いた中で、仕事には慣れました。
でも、一般のお客様の対応と軽量業務を同時にこなすことへのストレスは減りませんでした。
また、「スピーディにやらなければ」と神経をすり減らすことに疲れてしまい、最終的にこの仕事を辞めました。
しかし今でも、ごみ屋さんの従業員には「戻ってくる気ないの?」とありがたいお言葉を頂きます。
部署を異動したてで従業員同士のコミュニケーションもあまりなく、孤立していたことも仕事を辞める一因だったと思います。
産業廃棄物業者の職場環境
仕事に慣れれば残業なし週休2日
就業時間は8時半から17時半。
仕事内容は覚えるまでは大変なこともたくさんありました。
しかし、仕事に慣れてきちんと計量業務ができるようになれば、定時に帰ることができました。
収集車が帰ってこれば、残業などほとんどありません。
あとは、ゴミなどを直接運んだりなどはないので、気をつけていれば安心できる職場でした。
また、土曜、日曜日も休日を取ることができるので、充分に自分の時間を取ることができます。
残業もなく休みもしっかり取れるので、同時に2つの作業をすることが得意な女性にはかなり向いている仕事だと思います。
賃金や福利厚生
私が入社した会社は、一般事務員の給与としてはそれほど高くはなかったです。
しかし、給与が低くても、「残業がなく休日がしっかり取れる」という点で満足していました。
有給休暇も決められた分取得出来るので、ストレスなく働くことができました。
また、休暇だけではなく福利厚生もしっかりしていました。
私の居た会社では
- 年に一度の健康診断の費用
- インフルエンザの予防接種の費用
これらも会社から出ていました。
業務が大変でも勤務を継続できていたのは、充実した休暇や福利厚生も一因だと思います。給与は低いですが、仕事に慣れてしまえば快適でした。
ごみ屋さんの仕事は思ってるよりも大変だけどおすすめ


働く前は、「ごみ」はもっと単純に処分できるものだと思っていました。
しかし、4年間ごみの計量業務に携わり、ごみ屋さんの大変さを思い知りました。
- 計量とお客様への金銭のやり取りを同時にしなければならない
- 同じような車両ばかりで区別しづらい
- 区別できずミスをしてしまい、何度も計量し直す体力が必要
- スピーディさが求められるので神経を使う
日々排出されるごみの量はとても多く、処分能力が追い付かない事もありました。
しかし、お客さまの「綺麗になった、ありがとう」という言葉が励みになり、頑張ることができました。
ごみ屋さんの仕事は、私が初めに思っていたように「単純な仕事」だと考える方も多いと思います。
しかし、実際は神経を使うし体力もいる大変な仕事です。
この仕事に興味がある方は、それを踏まえた上で就職を検討したほうが良さそうです。
一方で、仕事に慣れてしまえば本当に快適な環境だと思います。
いくつもの作業を同時にこなすことや、仕事を覚えることが得意な方にはおすすめです。
ごみの処分は、皆さんの生活に関わる事なので、今後も無くなる事のない大切な業種だと思います。
「みんなの生活を支えているんだ」ぐらいの気持ちで作業が出来る方は、一度挑戦してみるといいと思います。