工場の事務職は覚えるまでがつらい【専門用語が多いが慣れれば楽】

事務職未経験だけど工場事務の仕事についた時のお話をうかがいました。
「事務職って初めてでも出来るのかな・・・」
「女性が多そうだけど、人間関係は悪くない?」
事務といっても会社によってやることは多種多様です。
工場の事務職を経験してみて思ったことは
- 全くの未経験で事務をするのは正直きつい
- お金の流れや専門用語を覚えることが大事
- エクセルなどを使った計算が苦手な人には苦痛かも
- ルーティンワークが多いので一回覚えてしまえば後は楽
- 人間関係は特に問題ない職場もある
初めての事務、初めての工場勤務、という初めてづくしだったため最初は大変でした。
会社のマニュアルがきちんとしていて、周りの人に頼れる環境だとなんとかなります。
そして、いったん仕事を覚えてしまえば残業する必要はありませんでした。
事務職に興味があるけど、よくわからないなと思っている人の参考になればと思います。
化学工場の事務したらはじめきつかった体験談


派遣会社に登録したら、何度か声掛けして下さった会社がありました。
大手の化学工場内にある会社さんで、工場の事務職です。
面接は、会社見学と聞いていたのにいきなり始まりました。
一般事務職の募集とのことだったので、MOSと簿記3級の資格をアピールしましたが、先方の要望としては「今いる事務員とケンカしなければいい。」とのこと。
介護で培った色んな年齢層の職員、ご利用者の家族とのコミュニケーションが取れることをアピールしたおかげで採用されました。
私のケースのように資格や経験の有無に関わらず、自分の強みもアピールすると、うまくいくことがあるかもしれません。
仕事の慣れ具合で段階的に指導が受けられた
仕事始めは、工数入力と見積書、納品書のチェックから始まります。
・工数入力
スタッフが働いた時間をパソコンに入力することです。
カンタンそうですが、工業簿記の知識が若干必要性でした。工員の人数と時間で計算します。
・見積書のチェック
工員によって時間単価が違います。
工員の単価✕工数で見積書を確認します。
・ 納品書のチェック
納品物の数量と単価の計算が合っているか確認。
監督へ回して納品ミスがないか確認してもらいます。
仕事の慣れ具合で、月締め業務など段階的に指導していただきました。
人間関係には困らなかった
人間関係は、とくに問題ありません。
事務の経験者によると、事務は女性が多いのでお互いに反りが合わず人間関係が良くないという事はよくあるそうです。
今の会社は穏やかな人が多いので問題なく働けます。
恋事情とかも多分ありません。
既婚者が多く、家庭の悩みを聞き合ってるのを聞いたことはあります。
女性は正社員も派遣社員も事務をしていて、男性は正社員でメンテナンス計画作成や監督業務をしてます。
そのため、女性は「事務員」、男性は「監督」と呼ばれることもありました。
監督の方は、男子校の雰囲気です。
からかい合う姿は見ますが、陰湿ないじめみたいなのは感じられませんでした。
男性が9割を占める職場
職場環境は、たたみ20畳くらいの狭い空間に男性9割、女性1割と圧倒的に男性が多いです。
また、人数分のデスクが並んでいて人のすれ違いが出来ず、人によっては狭苦しく感じるかもしれません。
工場の制服やマスクで職員の素顔が見えない
他の会社も同じか分かりませんが、監督はマスク着用しています。
服装はゴーグル・ヘルメット・作業着のため、職員さんの素顔を知らない日々がしばらく続きました。
事務所は人の出入りが多いので、監督を探すのも大変です。
協力会社の人なのか、業者の人なのか、判別が難しかったです。
声と背格好で多少の判断ができましたが、本当にわからない時は事務員に探してもらいました。
基本的に残業はなく、慣れれば定時で帰れる
完全週休2日で祝日も休み。
月締めの時期は30時間以下の残業がありますが、基本的に残業はなく自分の時間を大切にしたい人には向いています。
私の会社は2週間ずつ閑散期と繁忙期がくるという1ヵ月毎のルーティンです。
1年を通してほぼ同じルーティンなので、慣れたら仕事が時間内に終わりました。
工場事務だけに専門用語がわからず辛かった


きつかったことは、工業系分野の経験がなかったため、用語に限らず色んな事がわかりませんでした。
出される指示に専門用語が混在しているので、まるで暗号を聞いている気分になります。
会社で使われる用語、関わる人の識別、書類の処理の違いなど、一般事務の仕事を理解して慣れるまで、全ての業務がキツかったです。
仕事内容のマニュアルはありましたが、用語についてのマニュアルはありません。
最初の2ヵ月くらいは、分からない用語や指示について都度説明や確認を求めました。
細かく丁寧に出してもらう指示に従って事務作業を行い、毎日手帳にメモを取っていましたので、すぐに真っ黒になっていました。
まず「元請」、「協力会社」の違いから覚えた
例えば、最初に学んだ用語「元請(会社)」「協力会社」の違い。
「業者」も出てきて、違いが分からず混乱しました。
- 元請(会社)は、お客様から仕事を請ける会社。メンテナンス計画作成、監督業。
- 協力会社は、元請会社から仕事を請ける会社。メンテナンスの実行。
- 業者は、メンテナンスに必要な資材の納品、必要な機器のレンタルをする会社。
余談になりますが、「協力会社」は、少し前まで下請けと呼ばれていたそうですが、ほとんど使われなくなっています。
未だにそう呼ぶ元請会社や元請の方もいますが、協力会社から嫌われていたり、品がない会社や人が多いそうです。
会社で指導があるか分かりませんが、使わない方がいい言葉です。
「未確定」、「確定」も未経験者には難しい用語
それから、「未確定」「確定」の意味。
これを理解するには、まず会社ごとのお金の締切日を理解しないといけません。
お客様の締切日は毎月20日で、元請と協力会社は毎月末日となってます。
つまり、お客さんと元請で締切日のズレが発生します。
20日以降に完了した仕事にかかった費用は、お客様へ来月請求することになり、元請としては今後収入として入ってくる予定のお金です。
- 未確定は、1月の間に完了した仕事のうち、今後お客様に請求する予定の費用になります。
- 確定は、1月の間に完了した工事の費用です。
この言葉はお客様の締切日とのズレがなければ、使わない会社もあると思います。
未経験の人は、簿記を取りお金の流れを理解していれば仕事内容がわかりやすいかもしれません。
私には分からない言葉が多くてきつかったです。
繁忙期は慣れてきてもキツイことがある
ルーティンが決まっているので、仕事を覚えたら楽だと話をしましたが、事務員は全員違う内容の仕事をしています。
1日の仕事量が多い繁忙期に休むと残業確定という厳しさはあります。
4ヶ月間は、帰宅してから手帳を見直したり、先月のところを見たりして、ひと月の流れを掴みました。
仕事の流れを掴みつつ、作業スピードが徐々に上がっても、キツいと感じた時期があります。
それは、年末年始の休みが多い時期と2月には28日しかないのに祝日が2日あった時期です。
出勤日数が少ないということは、同じ仕事量もしくは多い仕事量を短時間で処理しないといけません。
基本的に定時退社ですが、この時は残業が多々ありました。
出勤日数が少ない月は残業代でカバーできる
出勤日数が少ないので、給与が少ない思ってましたが、残業により毎月の給与と変わらなかったです。
言い換えると、残業がなければ働いた時間分の賃金しかもらえないので、給与は下がっていたでしょう。
パソコンと計算が苦手な人には苦痛かもしれない
事務の仕事はパソコンが苦手な人、数字・計算が苦手な人には、苦痛かもしれません。
最初の頃に用語以外で私が混乱した業務に、資材注文書と見積書、資材の納品書の計算がありました。
それぞれ掛ける数字や計算の仕方が違うので、頭が追いつかずに混乱していました。
電卓を使い、長い表計算の確認をしているといつの間にかズレていたり、飛ばしたりしていることがあり、計算がなかなか合いません。
さらには、計算の途中で誤ってAC(オールクリア)を押して最初からやり直す日々。
スキルアップできるし、規則的なシフトが自分にあっていた
私の感じたメリットは、自分の時間を使って副業やスキルアップが出来ることです。
今までの不規則なシフトの仕事は自分の生活に影響してあっていない様でした。
それは、体調を崩しやすく、度々発症していたメニエール病、体重の大きな増減につながっていたようです。
今は規則的になり心身ともにバランスよく健康的に過ごしてます。
でも、職場の匂いや大声は苦手
個人的なデメリットは、職場のにおいでした。
私はにおいに敏感な方なので、事務所の狭い空間に柔軟剤とタバコのにおい、食事の時間には食べ物のにおい、色んなにおいがマスク越しでもわかり辛かったです。
喫煙者は所定の喫煙場所でタバコを吸っておられますが、衣服にはかなりタバコのにおいがついてます。
また、監督さんの声は通常でも大きいのと、怒鳴っているように聞こえたりするので、敏感な人はきついかもしれません。
実践的なマニュアルがあれば未経験でもなんとかなる【ない時は素直に先輩に頼る】


未経験でもマニュアルがある会社は多いのでなんとかなります。
ない場合は、自分で工夫して乗り越えておられる方が多いそうです。
ただ、現場に則していないマニュアルがある会社もあるので、気をつける必要があります。
マニュアルがなくても、相手の話をとりあえず素直に聞いていれば、周りからもフォローしてもらえるかもしれません。
頼りすぎ、考えもなく何でも尋ねるのは論外ですが、誰しも頼りにされると、悪い気分になることは少ないと思います。
賃金は安いけどスキルアップは目指せる
最後に事務の仕事は誰でもできる仕事のため、低賃金であることが多いです。
自分で資格を取ってスキルアップして、キャリアデザインをする力があれば、さらに賃金が上がりますし、いい会社に転職して働くことができるかもしれません。
未経験で事務をするのは最初は大変ですが、マニュアルや職場の人に頼ることで乗り越えていけました。
また、工場という専門用語の多い場所であることも最初のうちは苦労します。
人間関係には恵まれていたこともあり、一度仕事を覚えてしまうと自分のペースで仕事ができ、スキルアップにも繋がりました。
事務系の仕事に興味がある方の参考になればと思います。